十二支を従える旅に出ることになった天才陰陽師の血を引く主人公
『干支かれ』は、十二支になぞらえた神霊であるイケメンたちを従え、京都を拠点として世界に蔓延る怨霊を退治していくRPGとなっています。


一般的に知られる十二支には入っていない「猫」が悪役側となっており、主人公の先祖である陰陽師の秘密や、十二支の由縁を紐解いていくというストーリーです。
身近なテーマなだけあって非常に馴染みやすく、万人受けする作りとなっています。
近年のソシャゲに負けずとも劣らず、豪華声優を惜しむことなく起用しており、中島ヨシキさん、斉藤壮馬さん、神尾晋一郎さん、などなど女性向けアニメやアプリでは馴染みの顔ぶれです。
ゲームシステムはシンプルなものとなっており、難易度も高くなりすぎないように定期的に調整のアップデートが入るなど、ゲームバランスにも抜け目がないです。
和風テイスト好きにはたまらない特色が満載
『干支かれ』の特徴といえば、祖父の神社に住むことになったという設定の主人公や、和風の装束に身を包む神霊たち、など「和風」を貫いているところでしょう。
ゲームのインターフェースなどもとことん和風に拘っているところが見られ、演出や効果音にも徹底されています。
その反面、現代のSNSの話や流行りのTV番組になぞらえた会話が出てくるなど、クスリとさせられるネタも随所に織り込まれており、ストーリーテキストにすらスラングが登場するほどで、とても進めやすく作られています。
さらに、シリアスな場面との使い分けはしっかりと作られており、そういった場面ではギャグで誤魔化すような作りにしていないところも魅力的です。
シンプルさを全面に出しつつ工夫の余地がある
『干支かれ』では、基本的にすごろく状のマップを進むことでゲームが進行します。
画面左下にランダムで出現する数字を選択し、その数字分のマス目のみ進むことができ、止まったマス目にある各種イベントが強制実行される仕組みとなっています。
戦闘においても、じゃんけんのような仕組みで攻撃の相性が設定されていたり、ルーレットによって攻撃方法を決めるなど、高い戦略性などは求めず、シンプルに楽しめる内容になっています。
各神霊たちの攻撃方法は「言魂」と呼ばれ、干支たちと語り合う「干支語り」で新しい言魂を発現するなど、珍しいシステムにも注目です。
シンプルといえど、敵側の弱点属性を突くことで発動できる「連携」や、攻撃力を強化できるスキルの活用など、有利に進められるポイントが数多く用意されています。
また、ルーレットを止めるのが苦手な人向けに、使用する霊力が多くなる代わりにスピードを落とす設定などもあり、ストーリーを重視したい人にもしっかり楽しめる工夫が見られます。
当初実装予定がなかった?課金要素も控えめ
『干支かれ』において干支の神霊たちを強化するには、「干支語り」や霊具の「奉納」などが必須となります。
これらを行うためには、戦闘などで入手できる「鬼具」や「霊力」が必要となり、さらには霊力によって作られた調理器具の組み合わせなどで、干支語りを盛り上げることが大事になります。
紐解くと素材集めや、アイテム錬成などに置き換えられるシステムですが、見事に和風のテイストに合わせてあり、ゲーム全体の世界観を壊すことなく作られているところは素晴らしいです。
もちろん、素材集めは楽ではないので、課金アイテム「虹の珠」による救済などもあり、
非常に安価なものから販売されているので、序盤で少々蓄えておくと安心感があります。
これからますます伸びるコンテンツの予感?
シンプルかつ遊びごたえのあるシステムで、各キャラクターにも個性がしっかり作られています。
声優さんの演技も相まってじわじわとファンを獲得しているアプリと言えるでしょう。
もちろん、女性向けアプリの醍醐味とも言える、キャラ別ストーリーも沢山用意されています。
近年の流行りなどもしっかり組み込んでいながら、偏見などが多少入っているところは好みの分かれるところではありますが、度を超えたメタ発言などは返って斬新さが際立ち、プレイしながら思わず笑ってしまう場面が多い印象です。
各種演出も特別にド派手というわけでもなく、長時間の戦闘に関してはむしろ地味な印象が強いですが、アップデートの頻度も高く、今後の機能向上に期待が持てます。
文:みふる
フリーライターとして2年ほど活動。
現在はIT系企業のOLをしながら兼業でライター以外にも、
占い師や、イベント企画などを手掛ける。
マイナーなアプリを掘り起こすのが好き。