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iOS開発者向けのボーナス App Store for iMessage

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iOS向けのアプリは、内容がシンプルすぎると審査に通らず、リリースすることができません。実際のところは、シンプルすぎるかな?と思ったゲームやアプリでも、その判断はレビュアーさん次第のため、どちらへ転ぶかは審査に出してみないとわかりません。

 

【しんせい(申請)】

完成したアプリを、審査(レビュー)へ提出することを言うのである。やりきった感があるのである。実際はWEBページ上でのマウスクリックです。

【Reject(リジェクト)】

リリースできない審査結果のことを言うのである。言われたことを修正して、再度、申請なのである。この単語は見たくない。

 

メッセージアプリ用のアプリ

iOS 10から、メッセージアプリ(iMessage)用のアプリ形式が追加されています。

iOSに付属するメッセージアプリ専用のアプリです。

 

メッセージに利用ができる画像集「ステッカーパック」と、アプリのように色々作りこむことのできる「iMessageアプリ」の2つの形式があります。

 

「ステッカーパック」は、LINEスタンプと同じようなものと考えるとわかりやすいですね。

 

今回メインとして紹介したいのは、「ステッカーパック」です。

「ステッカーパック」はひとつの「アプリ」ですが、画像だけあれば、ノンコーディングでリリースできてしまう、iOS界の中では例外的な、とてもハードルが低いアプリの一形態なのです。

 

シンプルなアプリはリリースできないiOS界において、「ステッカーパック」を、iOS開発者向けのボーナスと考えてしまっても良いでしょう。

 

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【リリースOK】

審査に通ると、自動(または手動)でAppStoreへ公開されるのである。世界デビューなのである!

【〇〇ごてん(御殿)】

アプリで財を成して建てられた家や住まいを、アプリ・ゲーム名などを冠して、○○御殿と呼ぶのである。ひよこ御殿、建てたい。

 

「ステッカーパック」は、画像だけあればリリースでき、枚数の下限もとくにありません。8枚ほどでリリースされているのも見かけてはいますが、利用する側を考えると20~40枚くらいを目安とすべきでしょうか。

 

iOSアプリをリリースできる状態を作るのが、一般的には高いハードルです。LINEスタンプを作っていても、メッセージアプリ用にもと考えるクリエイターは、見ている限りほとんど見かけません。その代わり、リリースまでの仲介をする企業を、ストアでよく見かけるようになりました。

 

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iOSアプリをリリースするには、MacやiPhone/iPadなどを持っていなければ、購入から始めないといけません。

Apple Developerとして契約するため、年間費用の支払いも必要になってきますよね。

 

僕たち開発者は、この結構大変なハードルを越えた先に、すでに居ます。

 

日本では、LINEとTwitterが主役の今の時代で、メッセージアプリ自体の利用も少ないように思われ、ユーザーもそこまで多いわけではない雰囲気はあります。

しかし!OS付属という点と、対象は全世界なので、どこかの国でヒットする可能性は、アプリ同様、ないとは言い切れません。

 

さあ、リリースしてみたい気持ちが湧いてきましたね!

 

ステッカーパックの作り方

「ステッカーパック」は、アプリ化する方法が2通りあります。

最初に「ステッカーパック」「iMessageアプリ」の2つの形式と書きましたが、その2種類のことではありません。

 

1. イラストだけで作る、単体のステッカーパックアプリ

2. アプリにオマケのようにくっつける、ステッカーパックのエクステンション

 

今回の主役は、1です。

 

単体のステッカーパックアプリ

このアプリは、iOSのホーム画面にアイコンを持ちません。

「ゲームやアプリ用のApp Store」、「ステッカー用のiMessage for App Store」の2つのストアに表示され、インストールができますが、アンインストールはメッセージアプリ内からのみ行えます。

 

Xcodeの「File → New → Project」を選択。

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「iOS → Sticker Pack App」を選んで、プロジェクトを作成します。

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アプリと同様に、名前を付けます。

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アプリのリソースとして、アイコン画像をドラッグして登録。

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実際のステッカー画像も同様に、プロジェクト内にドラッグして登録します。

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ビルドします。

 

基本的には、この操作だけでアプリは完成です。

なんてシンプルなんでしょう。

 

アイコン画像は、正方形と横長の2種類があるので、通常のアプリとは異なりますね。

2つのサイズ比率で、縮小させたものを利用します。

 

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ステッカーとする画像サイズは3種類あって、どのサイズでもよいですが、全画像サイズは統一します。

一番多く使われているのが408x408のサイズです。

 

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画像はPNG形式です。

アニメーション画像にも対応しており、その場合はGIFとAPNGが利用できます。メッセージアプリ内での利用時、アニメーションは無限ループします。

 

ユーザーに優しい推奨作業

アプリ自体は、ビルド&インストールすると、もう利用できる状態になっていますが、ユーザーに優しくするため、「アプリ名のローカライズ」「VoiceOver用のテキストの入力」を行います。

 

アプリ名のローカライズ

アプリ名(この場合はステッカー名という感覚ですが)は、メッセージアプリ内のアイコンの下に表示されます。

この名前の、英語版と日本語版を用意しましょう。

 

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プロジェクトを右クリック、ファイルの追加からStringsファイルのInfoPlistを作成します。

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このローカライズ作業は一般のアプリと同様です。対象のチェックは、両方に入れます。2つあるのは、何もないベースアプリ側とステッカー側ということですね。

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ローカライズに日本語を追加します。

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英語表記と日本語表記のアプリ名を、CFBundleDisplayNameとしてそれぞれに入力します。

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この操作は、プロジェクト標準に含まれるinfo.plistファイルの内容が、このファイルによってローカライズされるということです。

 

アプリを作っている感じがやっと出てきました!!

 

VoiceOver用のテキスト

プロジェクトに取り込んだステッカー毎に、VoiceOverで読み上げられるテキストを持っています。このテキストを入力しておくことで、VoiceOver環境下で、その内容が読み上げられます。同じようなことを続けて書きました。このテキスト、結構、とても、意外に、重要です。

 

VoiceOverとは?

VoiceOverは、iOSに付属している画面読み上げ機能です。

画面を見なくても、指のジェスチャーだけで操作できるようにする機能ですね。

iPhone設定アプリ → 一般 → アクセシビリティ → VoiceOverからオンオフを切り替えて利用します。

 

VoiceOverを初めて触るときは、特殊な操作になるため、書かれてある方法をちゃんと読んでから、スイッチを切り替えましょう。

iPhoneのホームボタン有無で、操作も異なります。

 

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対象をタップして操作という感じではなく、指の置かれている場所のものを読み上げてくれるので、その対象を、画面のダブルタップで起動させたり、という具合です。対象がスクロールする場合は、3本指でのスワイプでページ移動させるのも、独特な動作ですね。

 

Xcode内で設定する場所は、ステッカーを選択して、表示されるインスペクターの、一番右のボタンです。

最初は、一番左のボタンが選択されているので、自ら選択しないと見えない所です。

 

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ここのAccessibilityに、ステッカーを選択した際に読み上げてほしい、日本語のテキストを入力します。

 

逆に、このテキストを設定していない場合は、「画像のファイル名」がそのまま読み上げられてしまうという、ユーザーには普段見えないものが、見えてしまうことになってしまうんです。僕も最初のリリース時はそんな状態でしたが、その後、更新しました。

 

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リリースされているステッカーパックアプリを結構見ていますが、そのほとんどが設定されておらず、ファイル名がなんとなくわかってしまうという結構恥ずかしい状態になってます。多少面倒なところではありますが、全部入力しておくのが良いですね。「VoiceOver対応をした」「アクセシビリティ対応をした」と言うことができ、イラストの内容を伝える意味合いも持っています。

 

僕はイラスト内のセリフと、状況も追加で記載したりしています。

結構何を書いてもチェックされないのではないかと思ってしまっていますが、変なことは書かないようにしましょう。

 

漢字を含めると、想定とは違う読まれ方をする時があるので、最初から全部ひらがなにしておくという方法でもよいですね。

 

ターゲットはiOS 10以降に。

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この用意されたテンプレートをそのまま使っているステッカーパックの場合は、ターゲットはiOS 10以降で問題は起きないと思われます。

古いOSで確認ができなくて不安な場合は、所持しているiOSのバージョンにするのが、アプリの場合でも安心ですね。

 

これで、アプリに関しては完成です。

あとはビルドし、実機にインストールして問題ないことを確認します。

 

このステッカーパックに限らず、iOSアプリのお約束事として、アプリとエクステンションのバージョンとビルドの値は、同じにしないといけません。

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このステッカーパックのテンプレートが、空のアプリにステッカーパックのエクステンションをくっつけたようなものになっているためですが、バージョン番号を変えたり、更新を行う場合は、2か所の修正が必要です。

 

XcodeシミュレーターのiPhoneとiPadでスクリーンショットを撮影し、App Store Connectに新しいiOSアプリを登録して、申請します。

この辺りは割愛しますが、申請の画面では、アプリとiMessageの2箇所にスクリーンショットを登録する必要があります。

同じ画像でよいですが、先に書いたように、「ゲームやアプリ用のApp Store」「ステッカー用のiMessage for App Store」の、2種類のストアがあるためですね。

 

「単体のステッカーパックアプリ」の作り方については、このくらいにしておきましょう。

 

まとめ

iOSで一番シンプルに作れるアプリは、ステッカーパック!

 

iOSに限りますが、リリースしたゲームのキャラクターにセリフを付けたものであったり、スクリーンショットを加工したものであるとか、ついでの制作を考えてみるのも面白そうです。

もしついでに作ってみた場合、LINEスタンプはサイズが370x320なので、少し小さくするだけでそちらも考えられますね。

 

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今回詳しく書かなかった「ステッカーパックのエクステンション」「iMessageアプリ」は、概要的には似ていますが、まったく異なるものです。また次回があれば、そちらも書いてみようかなと思います。

 

▼ステッカーパックに関するAppleのサイト

iMessage用のステッカーの作成

 

僕がリリースしているステッカーは、App Storeで「ひよこのちっぴ」を検索すると見つかります。全部買ってください!

 

 

アプリ内課金を今すぐ始められる簡単実装サービス「itemstore(アイテムストア)」

 

 

文・イラスト:うに+

個人アプリ開発がしたくてすべてを辞めたのが始まりです。

現在はアプリやイラストなどでどうにか生きています。

 

Webサイト: https://cocoamix.jp

Twitter: https://twitter.com/cocoamixjp