着せ替えアプリというジャンルが密かに盛り上がりを見せています。主人公となるキャラクターを着せ替えて、パラメータを成長させ、ファッションショーバトルをするようなゲームもあるほどです。
しかしそんな中、単純に着せ替えのみを楽しむアプリとして、じわじわファンを獲得しているアプリが『パステルガール』です。
アプリ内には必ずと言っていいほど組み込まれているSNSとの連携機能があります。これはTwitterやFacebookなどにアプリ内での画像などを直接共有できる機能としてメジャーであり、ユーザーが自ずとプロモーションを行ってくれる開発者目線ではありがたい機能です。
『パステルガール』はそんな機能をフルに活用できているアプリと言っても良いでしょう。
アプリにおけるシェア機能の一般的な使い方として、ゲームのリザルトと呼ばれるいわゆる評価画面などをアップロードするものがあります。良いスコアが出たら誰かに見てもらいたいですよね。そんな時に使う機能として、ほぼ全てのゲームアプリに組み込まれていると言っても良いでしょう。
しかし、着せ替えアプリである『パステルガール』は何かを達成したという明確な評価はありません。ゲームアプリではないため、アクションに挑戦したり、難しいパズルを解く要素もないのです。そんな着せ替えアプリの画像が多くの人にシェアされている理由は何なのでしょう。
[1]「共感」という評価
特定のアバターを着せ替えたりするものは、古くはモバゲーやGREEなどのSNSの中の機能として見られました。レア度の高い衣装などは実際にお金を払って購入する必要があり、そんな衣装を持っているユーザーは羨望の眼差しで見られたものです。
もちろん、『パステルガール』にも課金衣装が数多くあります。そして、その画像がたくさんシェアされる最大の理由はこの「自己顕示欲の掻き立て」をうまく利用しているところにあるでしょう。つまりは他者からの共感という評価を得るために課金しているユーザーが多いということです。
[2]一人で遊んでいても飽きないボリューム
着せ替えできる箇所は24ヶ所もあり、無料ですらカスタマイズ可能なパーツは記事執筆時点で300種以上と、アプリ自体のボリュームも凄まじいです。また装飾部を自由に動かせるものも多く、タッチで操作するデバイスとも相性が良いですね。
この圧倒的なボリュームから生まれる着せ替えバリエーションの豊富さが画像をシェアさせる一つの要因となっていることは間違いありません。
また、課金アイテムは240円〜360円となっていて、広告削除もこの課金要素に含まれます。そして、課金アイテムを全て購入するとなんと「12,100円」にもなります。これだけでもそのボリュームの凄まじさが垣間見えます。
しかし、このアプリの良いところはこれだけの課金要素がありながら、課金を煽るような演出がほぼ無いというところです。広告も全画面に出るわけでもなく、画面上部に常駐するのみです。
[3]カスタマイズの自由度がもたらす遊びの“幅”
『パステルガール』は2018年3月26日にリリースされましたが、当時はそこまで騒がれていませんでした。開発者のByeongCheol Seong氏も大々的な宣伝はあまりしておらず、SNSでのシェアを原動力として徐々に人気が上がっている印象です。もちろんこれからも伸び代はあるように見えます。
現在流行りを見せているのは、そのカスタマイズの自由度を用いて、様々なアニメや漫画のキャラクターに似せて作ってシェアするというものです。中には完成度の高いものも多く、完成したものをそのままSNSのアイコンにする人もいるほどです。
こうした遊びの“幅”が画像をシェアさせる要因となるとともに、じわじわと人気を押し上げる結果にもつながっているものと思われます。
[4]着せ替え系としては斬新な動画保存という機能
カスタマイズパーツの中には動くものもあり、これらのパーツを配置するとアニメーションし続けます。これをなんと動画として保存、シェアすることができるというのが、この『パステルガール』の特筆すべきところです。
スマートフォン自体に画面録画機能があるものも多いかと思いますが、アプリ自体に付随しているのはありがたいです。GIFファイルとして保存され、端末でも見ることができます。
まとめ
『パステルガール』は非常に可愛らしいデザインでありながら、パーツによってはシュール、ギャグ系や、サイコな一面も持っています。また有名キャラクターの一部位をリスペクトしたようなパーツも多く見受けられ、そういったパーツは課金アイテムとなっています。もちろん、多くの人にシェアされているカスタマイズはこういった有名キャラクターに似せている画像が多く、この手法は素直にうまいと思いました。
洋服を買う際の色合い確認などに利用されている方もいるようで、これからの利用の幅の拡大にも注目です。
文:みふる
フリーライターとして2年ほど活動。
現在はIT系企業のOLをしながら兼業でライター以外にも、
占い師や、イベント企画などを手掛ける。
マイナーなアプリを掘り起こすのが好き。