あらゆるアプリが飽和状態にある今、どうやってアプリ開発でマネタイズをするか、特に個人で開発している方がまず考えるべきことがあります。
ジャストアイディアで色々な機能を考えて作ったものの、思うように伸びなかった…とならないためにも、よくある事例を知っておきましょう。
1. 個人開発で収益を最大化するには?
企業でのアプリ開発と個人開発で最も大きく異なるのは、予算とスピードです。
技術があれば誰でも開発することはできますが、個人では使えるリソースがどうしても限られてきます。
収益を最大限上げる方法とは、本来とてもシンプルで、「どれぐらい宣伝費をつぎ込めるか」です。
有名タイトルはほぼ宣伝費と売り上げが比例しています。
しかし、個人開発では宣伝費をつぎ込むことは難しいですよね。
そこで宣伝費をなるべくかけず、口コミによって拡散させる方法もあります。
ただし一定の条件を満たす必要があります。
例えば、
- キャラクターが魅力的
- ユーザーが周りに自慢したくなる要素がある
- より多くの人が利用することで、ユーザーが得をする
- 有名人が監修している
- 有名人が実際に利用する
- 開発者のキャラクターが面白い
- すでに他サービスで顧客を獲得している
- 時事的に話題性の高いコンテンツが含まれている
- アーリーアダプター、紹介者にインセンティブを用意する
などです。
専門企業レベルの宣伝費が出せない以上、強い戦略がなければ、大きな見込みはありません。
個人開発者は、とりあえずリリースしてみて広告を載せて収益源にしようと考えがちですが、そもそもユーザーがいなければ、大した収益は出ません。
したがって、手を動かし始める前に、まずはユーザーにとって何か魅力的な要素があるのかを分析してみることが収益化の第一歩です。
2. どんなジャンルが良いの?
アプリのジャンルは大きく分けて、「効率化」系のものと、「あったら楽しい」タイプのものに分けられます。
前者は、身近な作業を便利にするもの、例えば計算、日程調整、リストアップ等がよくあるもので、後者にはゲームや写真、SNS、旅行等エンタメ系がよくあります。
マネタイズをしやすいのは圧倒的に前者です。
なぜならダイレクトに「課題の解決」に繋がるからです。
後者は「ないよりはあった方が良い」けれども、「たとえなくなってもそこまで困らない」ものになるため、ユーザーの流動性が高まります。(ただし、ソーシャルサービス等の「人間関係が含まれているもの」に関しては、アンインストール率がかなり低くなります。)
それでは効率化に該当するものならうまくいくのかというと、1年に一度使うか使わないかというレベルの内容(例:今年の目標を立て、達成したかどうかを記録する)や、一生に何回かというレベル(例:名付け/姓名判断、学校入学)だと、使わない時間の方が多く、一つの機能だけでの収益化は難しくなります。
また、単価を高めに設定するモデルでないと成り立ちにくく、アプリの使用率の高い若年層が入りづらくなります。
また、よくあるのが、ユーザーがそれほどの課題感を持っていないことや、その課題を間接的に解決する手段が別にあり、それで満足していることです。
例えば、「駅構内に特化したマップアプリ」の場合、アプリを立ち上げるより案内板を見た方が早く、また駅員に尋ねる方法で代替できます。
新宿のような迷いやすい場所ならまだしも、出口が南、北しかない小さな駅では特に強い課題を持つ人がいません。
提供者は自分のアイディアが画期的であるという認識を持ちやすいですが、使うかどうかを決めるのはユーザーです。
なるべくたくさんのユーザーの強い共通課題を見つけることが必須になります。
さらに、自分の強みや経験が活かされるジャンルだと、着眼点がピンポイントになり、展開しやすくなります。
3. 小規模開発が難しいサービス
個人で作ろうとしているアプリの中でもジャンルとして多いのが、マッチングアプリです。
itemstoreの導入アプリでも課金率や課金額の高いジャンルであるため、注目が集まるのもうなずけます。
課金ユーザーのアプリ内課金利用実態【中・小規模アプリベンダーと個人開発者向け】
男女をターゲットにした恋愛目的のものから、エンタメ、ファッション、ビジネスやスキルのマッチング等さまざまな切り口があります。
いずれも大きなハードルになるのは、最初から一定数の人を集めないと成り立たないことです。
マッチングという特性上、需給バランスがマッチしている必要があります。
特に男女のマッチングでは、きちんと運営・管理しないと、アダルト色が強くなりがちです。
マッチングほどではないですが、ユーザー投稿型のコンテンツメディアも同様のハードルがあります。
こちらはブログアフィリエイトに近く、コンテンツが揃うまでにある程度時間が必要になります。
また、アプリ外での決済処理を独自実装するとなると、技術面・法律面でのハードルが高くなります。
こうした決済機能は信頼できる外部機関を通した方がユーザーの安心感が高いと言われており、実装スピードも早くなるため、個人でも簡単に利用可能な決済代行サービスを利用するのがおすすめです。
引用:https://blog.itlandmark.com/396/top-payment-gateways-integration-with-coldfusion-ecommerce-website/
ちなみに、アプリ内課金なら「itemstore」を利用すると、最短10分で簡単に実装可能です。作業時間を大幅に削減して、アプリの収益向上をサポートします。(※編集部より)
まとめ
いきなりアプリを作り始める前に、まずはどのようなアプリにニーズがあるか、どのようなアプリが収益化しやすいか、自分のアイディアと照らし合わせて分析してみましょう。
文:lol.a
フリーのUX/UIデザイナー。単なる画面設計だけでなく、事業デザインとしてのUXを追求しています。
Twitter:https://twitter.com/schllle