itemstore BLOG

アプリ内課金(IAP)の実装・運用にかかる時間を大幅に削減してアプリの収益性を高めるサービス「itemstore(アイテムストア)」が、アプリ内課金に関する様々な話題や企画をお届けする公式ブログです。

似たデザインだとスパム認定され公開停止?人気アドベンチャーゲーム『LOOP THE LOOP』シリーズが直面する問題

f:id:cayto_pr:20181108044334p:plain

一般的に、スマホアプリをリリースするにはiOSならApp StoreAndroidならGoogle Playに提出しなければなりません。そのため開発者は常にストアの方針に従わないといけないのですが、時には唐突な方針変更に振り回されることもあります。

 

現在その問題に直面しているのが、人気アドベンチャーゲームLOOP THE LOOP』シリーズです。

 

LOOP THE LOOP』シリーズについて

LOOP THE LOOP』シリーズ(以下LTL)はインディーズデベロッパーの「sweet ampoule」がリリースしているアプリです。フィーチャーフォン、いわゆるガラケーの時代からリリースされており、第1弾「飽食の館」は無料でありながら圧倒的なボリュームと良質なシナリオで、多くのファンを獲得しました。

 

f:id:cayto_pr:20181108044324p:plain

何でも手に入る奇妙な館に閉じ込められた男女。当初は仲良く暮らし合っていたが、やがて――。


以降も本編は全編無料、サイドストーリーは有料の買い切りアプリという形で、どんどんとシリーズを重ねていきました。そしてコミカライズ、ノベライズといった商業展開も果たすほどの人気作に成長していったのです。

 

突如、一部アプリが公開停止措置に

sweet ampouleはLTLシリーズだけでなく他の作品も精力的にリリースし、好評を博しています。ところが最近になって、大きな問題に直面しました。

LTL本編の第5弾である「藝術家の庭」とサイドストーリーのVol.4、これらのiOS版が、App Sroreによって一方的な公開停止措置を取られてしまったのです(その後「藝術家の庭」は新規アプリとして再公開されました)。

 

公開停止の理由は、これらのアプリが類似作品――スパムであると見なされてしまったからでした。シリーズものなのでシステムデザインを流用するのはごく当然のことに思えますが、App Sroreは開発者側の意見を聞き入れることはなかったのです。

 

現在、スマホアプリは途方もないほどの数があります。そのためシリーズ作品はなるべく1本のアプリにまとめてほしい――これがストア側の言い分のようですが、事前に通達があったわけではありません。ひとつひとつのアプリをしっかり調査する余裕もないのでしょうか。いずれにしても、一方的で強引な措置だと感じます。

 

サイドストーリーをアプリ内課金へ移行

このままではLTLシリーズだけでなく、他の作品にも波及し、最悪の場合アカウント削除ということも考えられました。

 

sweet ampouleは元々、一部アプリについてはアプリ内課金に移行している最中だったのですが、LTLシリーズに関してはその予定はありませんでした。しかしこの問題に対応するため、LTLの計7本のサイドストーリーは1本の無料アプリにまとめられることになりました。

 

f:id:cayto_pr:20181108044328p:plain

 

従来はすべて有料でしたが、Vol.1は無課金ですべてプレイすることができます。そしてVol.2以降をそれぞれアプリ内課金で、という形になりました。

これでひとまず公開停止された作品も復活できたのですが……アプリストアの唐突な方針変更に対する不安は依然としてあります。この問題は決して、他の開発者にとっても他人事ではないのです。

 

開発者「sweet ampoule」さんにインタビュー

この困難な問題について、sweet ampouleさんにお話を伺いました。

 

――アプリ内課金自体は、別作品でも徐々に進められていました。技術的にそう簡単ではなかったかと思いますが、どのように乗り越えられたのでしょうか。

 

sweet ampouleではアプリ内課金の実装が遅く、長い間、有料作品を売り切りアプリとして販売していました。

当初はアプリ内課金のシステムを作成するノウハウがなかったため、今使用しているエンジン(Artemis Engine)に詳しい方にお願いして一部協力して頂き、実装することができました。

 

――予定にはなかったものの、やむにやまれずLTLサイドストーリーもアプリ内課金に切り替えました。この方法にもメリットはあるかと思いますが、統合前の個別で管理する形と比べて、どちらのほうがやりやすいと感じるでしょうか。

 

メリットもデメリットもありますので、簡単には答えにくいですが……細かな誤字脱字やちょっとした修正などへのアップデート対応は、個別管理の方がやりやすかったと思います。

しかし、iOSAndroidのバージョンが変わったりした際に、更新しないといけないアプリ数が減ったことは、統合化の一番のメリットだと感じます。アプリ数が増えすぎるのも個人開発者には苦しい問題ですし、管理だけでいうと、統合した方が楽だとは思いました。

 

統合化による最大のデメリットは、ユーザーにリリースを気づいてもらいにくい点ですね。アップデートで続編を出した際に、ストアに新着作品として表示されませんので……。

ただ、これから作品を知る新規ユーザーにとっては、続編をストアで検索する手間が省けるというメリットがあります。

現状、統合してしまった以上は、メリットを活かせるよう意識して活動していこうと思っています。

 

――統合化に関してさまざまな声、応援の声も多くあったかと思いますが、嬉しかったメッセージなどがあれば教えてください。

 

個別版をすでに購入していただいていた方や、端末の空き容量が少ない方などから、不満の声をいただくのは覚悟していましたが、予想外にもたくさんの方に受け入れてもらえました。本当に感謝しています。

 

『統合したバージョンも購入します!』

『色々なサイドストーリーがひとつのアプリで読めるようになったのでありがたい』

 

などと言って頂けたのは、とても嬉しかったですね。統合化は大変な作業でしたが、救われる思いでした。

 

まとめ

特にノベル・アドベンチャーゲームの場合、第1弾を無料にしているけど続編や番外編、サイドストーリーは有料の買い切りアプリとしてリリースしている――こういった例は少なくありません。

それらのアプリは今回の例のように、いつストアによって強制的に公開停止されるかわかりません。一度購入してもらったユーザーに再購入させてしまうことになるかもしれませんが、理解してくれる人たちも必ずいます。早いうちにアプリ内課金に切り替えたほうが賢明と言えるでしょう。

 

 

アプリ内課金を今すぐ始められる簡単実装サービス「itemstore(アイテムストア)」

 

 

文・アライコウ

作家 / シナリオライター / ゲームクリエイター

十数年、インディーと商業でノベル・アドベンチャーゲームに関わってきました。

 

Webサイト:https://arai-create.net/

Twitterhttps://twitter.com/araicreate