itemstore BLOG

アプリ内課金(IAP)の実装・運用にかかる時間を大幅に削減してアプリの収益性を高めるサービス「itemstore(アイテムストア)」が、アプリ内課金に関する様々な話題や企画をお届けする公式ブログです。

美少女アンドロイドが悟りを開いた?アドベンチャーゲーム『マーシフルガール』の読ませ方

f:id:cayto_pr:20180920095705p:plain

ゲーム性の薄い、物語を読んでいくタイプのアプリにおける課金要素については、以前に『7年後で待ってる』の記事を書きました。

 

感動ストーリーで魅せる『7年後で待ってる』が導入した課金方法とは? - itemstore BLOG

 

そこで今回も、アドベンチャーゲームの課金要素について考えてみます。題材とするのは9月にリリースされたばかりの『マーシフルガール』です。

 

『マーシフルガール』について

『マーシフルガール』はインディーズデベロッパーのRhinocerosHornがリリースしたアドベンチャーゲームです。マーシフルとは「慈悲深い、情けのある」といった意味の英単語なのですが、RhinocerosHornは「原始仏教をテーマとしたオリジナルアプリを開発しています」とのことで、これまでにも多くのアプリをリリースしています。

 

舞台はアンドロイドが広く普及した近未来。主人公は画期的なAIを搭載した新たな美少女アンドロイドを、ようやく完成にこぎ着けた。しかし世界のビッグデータを得たアンドロイドは、何と悟りを開いてしまった。主人公は彼女との対話で何を得るのか――かつて例を見ないほどの、ユニークな物語なのです。

 

わかりやすく解説される仏教の教え

システムはシンプルなものとなっており、画面タップでテキストを読み進めていき、時折出てくる選択肢を選びながらアンドロイドとの対話を重ねていきます。

 

仏教の教えがひとつのテーマですが、この分野にはまるで触れたことのない私でも、なかなかわかりやすいと感じました。仏教やAI関係などの、聞き慣れなかったり、難しい言葉や考え方が出てくることもありますが、それらは辞典にまとめられ、平易な解説でいつでも読めるようになっているのです。また、私たちが普段使っている言葉や考え方が、仏教用語に置き換えられて辞典に登録されることもあります。

 

しかし本作の面白さを何より強調しているのは、ヒロイン(?)である美少女アンドロイド。まるでお釈迦様のように上の視座に立ち、主人公にお説教する姿はこれまでのアドベンチャーゲームにはないものです。もちろんお説教だけではなく、慈悲にあふれる言葉もかけてくれます。次に彼女は何を言うのだろうか……話数を重ねる毎に、それが楽しみになってきます。

 

f:id:cayto_pr:20180920095701p:plain

このちょっと毒舌なところ(ただし本人にその自覚はない)が可愛い。

 

課金要素は「動画広告の解除」のみ

第5話以降は、動画広告を再生することで読むことができます。一度読んだエピソードをもう一度読む場合でも、再生の必要があります。そしてこの動画を見ずにプレイしたい人は、課金で解除することができます。

いつでもスムーズに読みたいなら課金。少々の時間を取られてもかまわないなら動画広告があるまま。この2種類のプレイスタイルを選ぶことができるのです。

 

f:id:cayto_pr:20180920095658p:plain

 

ストーリー選択画面にある[動画広告解除]のボタンから課金することができます。本作の課金要素はこれひとつだけです。美少女アンドロイドの見た目を変えられる着せ替え機能があるのですが、これは通常の機能として搭載されています。

 

前半は美少女アンドロイドとの、ややコミカルなやりとりが展開されますが、後半は主人公の家族も交えてのヒューマンドラマが見られます。既存のアドベンチャーゲームとは一味違うシナリオを、ぜひ味わってみてください。

 

開発者のRhinocerosHornさんにインタビュー!

なぜこういった課金要素が導入されたのでしょうか? 開発者であるRhinocerosHornさんにお話を伺いました。

 

――アドベンチャーゲームの課金要素は悩まれたかと思いますが、「動画広告解除」のひとつだけとした理由をお教えください。

 

ゲーム実況動画でプレイ動画が拡散されても問題がないような設計にしようと最初から考えていました。ですので、アプリ自体も無料にし、有料エピソードも入れていません。

あとは最終話まで読むためには動画広告を30回再生する必要がありますので……その広告収入と広告解除の課金を収益の柱にしようと考えました。着せ替えや辞典も当初は課金対象にしようと思いましたが……まずはゲームの面白さを最大限高めたいと思い、やめました。

 

――課金の状況はどうでしょうか? 動画広告との比率も合わせてお聞きしたいです。

 

プロモコードを大量に配っていますので、全然正確なデータではありませんが、プロモコードを含めた売上比としては、広告:課金=1:5ぐらいです。また、今のところ1ダウンロードあたりの収益は、約27円です。

 

――実際のところ、収益に関してはどうでしょうか? 特にグラフィックがハイクオリティですが、課金要素がひとつだけだと、開発費をペイできるのかと心配になってしまうのですが……。

 

『マーシフルガール』はルックの良いゲームとなりましたが、個人開発ゲームなので、開発費はそんなにかかっていません。イラストレーターさんへの外注費と、一部の背景写真と参考書籍の本代ぐらいです。

ですので、ダウンロード数がある程度いけば、個人開発としては十分な収益となると思っています。

 

――今後、他の課金要素を導入する予定はあるでしょうか?

 

ありません。

 

まとめ

無料のアドベンチャーゲームは、ネットで実況動画が公開されることがよくあります。そこで「動画広告+課金で動画広告解除」という課金モデルを導入したのは上手いと感じました。

収益を上げるために、できるだけ課金要素を入れたいと開発者は考えがちです。しかし作品規模やかかった開発費、そして作風といったことも勘案して、課金要素はひとつだけという方法もあるのです。そしてそれでも十分に成功できる可能性はあります。

 

 

マーシフルガール

マーシフルガール

  • RhinocerosHorn
  • ゲーム
  • 無料

 

play.google.com

 

 

アプリ内課金を今すぐ始められる簡単実装サービス「itemstore(アイテムストア)」

 

 

文・アライコウ

作家 / シナリオライター / ゲームクリエイター

十数年、インディーと商業でノベル・アドベンチャーゲームに関わってきました。

 

Webサイト:http://arai-create.net/

Twitterhttps://twitter.com/araicreate