子供でも楽しく遊べるアプリ、そういうものを開発している方も少なくないと思います。
一方で、子供が親の知らないうちに大量に課金してしまった、というニュースをしばしば目にします。各家庭における管理の問題……というのもあるでしょうが、そもそも子供が多くプレイするようなアプリには、どのような課金アイテムが好ましいのかということも考えなければならないでしょう。
あまり高額にしてはいけないというのは基本として、具体的にどう設定すればいいのかは難しいところです。そこで参考になりそうな例として、『もじたん』というアプリを紹介します。
言葉を作っていく軽快パズル『もじたん』
『もじたん』はMokosoft Incが開発したパズルゲームです。リリースされたのは2016年ですが、つい最近もストアでフィーチャーされるなど、長期間にわたって人気を博しているアプリです。
お題を元に言葉を探していく、ルールはそれだけです。画面に並べられた文字のパネルを、指でタテ・ヨコ・ナナメになぞって意味の通じる言葉にしていきます。そしてすべてのキーワードを見つければクリア、次に進めます。
どうしてもわからない、という場合はヒント機能を使うことができます。これを使うとキーワードの中身が一部わかるのです。
用意されている問題は全部で210問。練習レベルから最上級レベルまであり、やりごたえ十分です。
バラエティ豊かなユーザー問題
アプリ側で用意された問題だけでなく、ユーザーが問題を作成することも可能です。そしてそれらのユーザー問題は、記事執筆時点で14,000問以上にも及んでいます。これにより、毎日やっても遊び尽くせないほどのボリュームがあります。
ユーザー問題は単に言葉を探すだけでなく、一風変わった仕掛けの問題もあります。しかしいずれも難しすぎることはなく、ほどよく頭を悩ませる良問になっているのです。
課金でヒントをどんどん見られる
ヒントを見るための「ヒントコイン」は、問題をクリアしたり、動画広告を見ることで少しずつ貯まっていきますが、課金で増やすこともできます。
ヒントコイン10枚、45枚、100枚、300枚の4種類が用意されています。
消費型アイテムとしてはスタンダードなラインナップですが、1枚あたりで計算すると、およそ3円~12円の範囲で収まっており、一度の最高額も1,000円程度です。ソーシャルゲームのいわゆる「石」は、1個あたりの価格がもっと高いですし、1万円近くもするメニューも珍しくありません。
『もじたん』の課金アイテムは全体的に、ユーザーの負担が少ないと言えそうです。
まとめ
『もじたん』はシンプルながらボリューム満点で、子供からお年寄りまで幅広い層が遊ぶことができるアプリです。特に子供にとっては言葉の勉強に役立つので、親がプレイさせているというケースも少なくないと思われます。
子供も遊ぶようなスマホアプリに課金アイテムを盛り込む場合、その内容と金額の設定は、より慎重にならなければいけません。その点『もじたん』は非常にバランスよく設定されており、クリエイターにとっては参考となる最良の例だと思います。
文・アライコウ
十数年、インディーと商業でノベル・アドベンチャーゲームに関わってきました。
Webサイト:http://arai-create.net/
Twitter:https://twitter.com/araicreate