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【クリエイターインタビュー】『トラップマスター』の開発者・STUDIO SHINさん<後編>

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こんにちは。

インディーゲームの紹介などを行っているインディーズゲーム放送局です。

 

前回に引き続き、2Dアクション脱出ゲーム『トラップマスター』の開発者であるSTUDIO SHINさんにインタビューを行っていきます。

 

スピード開発とモチベーションの関係

--脱出ゲーム『トラップマスター』を作ろうと思ったきっかけや経緯などを教えてください

 

リリースしたのが2017年6月なのですが、作り始めたのは2016年12月ぐらいだったんですね。ちょうど作り始める時に、今もそうだと思うのですが脱出ゲームがかなりストアに出ていまして、じゃあちょっと脱出ゲームを作ってみようかなということで作り始めたのが最初です。

 

トラップマスター自体はリリースまで半年かかったのですが、途中に別の脱出ゲームをリリースしていまして、それに関しては1~2か月ぐらいで作りました。『大石膏室からの脱出』というゲームで、画面をタップしてアイテムを拾ってというオーソドックスなものだったのでサクッと作りました。

 

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『トラップマスター』と並行開発された『大石膏室からの脱出』は作者が講師を務める奈良芸術短期大学内に実在する大石膏室を利用し作られた

 

--6か月で2本もリリースされたんですね。

 

長くても開発期間は半年ぐらいです。

 

--じっくり作るクリエイターもいるなか、このボリュームをこれだけ早くリリースできる理由はiPhoneに特化して開発しているためですか?

 

そうですね、慣れた環境で作っているというのもあると思うのですが、これはたぶん皆さんそうだと思いますが、同じゲームを長く作っているとモチベーションがもたないんですよ。だからさっさと作ってしまった方がいいなと。

 

--ちなみに、人生の中で脱出したことやトラップに掛かったことはありますか?

 

うまい具合に脱出したというのは前に勤めていたゲーム会社でしょうかね。いい感じで辞めて独立できたかなと思っています。ひとりで気楽に何か作りたかったと思っていまして、仕事のタイミングも良かったので辞めて、一人でやってみようと脱出しました。

 

 App Storeの将棋アプリのパイオニア

--普段はゲームで遊びますか?

 

最近は流行っているゲームを研究のために遊ぶというのが多くて、自分でちょっと楽しんで遊ぶっていうのはなかなか少ないのですが、一番よくゲームを遊んでいたのがスーパーファミコンからプレイステーション1、2ぐらいの時期でしょうかね。

 

--思い出のゲーム、心に残っているゲームなどがありましたら教えてください

 

1番好きだったのが任天堂の『ゼルダの伝説』です。ゼルダとかバイオハザード、ちょっとマイナーですけど、ポピュラスというゲーム。あとタクティクスオウガとかです。

 

--頭を使うゲームがお好きなようですね

 

そうですね。元々将棋とか好きなんです。

 

--それを聞いて気が付いたのですが、将棋関連のゲームも出されていますよね

 

『将棋盤』というゲームというか対人用のアプリなのですが、2009年にリリースして、実はあれがおそらく App Storeで1番目か2番目ぐらいの将棋アプリじゃないかと思うんです。

 

--そんなに早くリリースされたんですか!

 

はい、当時探してみて将棋アプリが無かったので。2009年の半ばあたりで、ちょうど日本で言うと iPhone 3GSが出たあたりですかね。将棋好きだし作ってみようかと思って。

 

ただコンピューターのAIを作るのは、なかなかハードだったので、じゃあとりあえず対人用、将棋盤と駒の代わりになるアプリを作ってみよう、その代わり棋譜を記憶できたりという所に特化した対人用のアプリを作ってみたのが2009年ですね。リリースしたのが12月くらいです。

 

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App Storeがスタートしてから1年半ほどでリリースした最初期の将棋アプリ『将棋盤』

 

今後の取り組みについて

--ゲームを通じての収益化について、お考えやアイディアがありましたら教えてください

 

出しているアプリはほとんど無料アプリで、広告を貼っての収益ということになります。過去には有料のゲームを出したこともあるのですが、やはりほぼダウンロードされないので収益としては広告メインです。

ただ、今は有料アプリでも割と注目されるアプリがあったりして、ダウンロード数が伸びていますが、やはり無料で広告という方が収益としては割合が高いんじゃないかなと思います。

 

--今後ガチャやアイテム課金のゲームを作る予定はありますでしょうか?

 

次は、いわゆるアイテムを買ってという課金みたいなものをやろうかなと思っているのですが、広告とかアプリ内課金とかいろいろやっていかないと今後収益には結びつかないかなと思っています。

 

--今後開発を予定しているゲームやアイディアなどがありましたら教えてください

 

次に作ろうかなと思っているのが二つあって、シューティングゲームアドベンチャーゲームっぽい感じのやつです。

シューティングゲームの方はロボットを主人公にした横スクロールで撃っていく感じのゲームを考えています。

まだ作り始めているところですが、これに関してはUnityという環境で作っていまして、できればiOSAndroidの両方で出したいかなと思っています。

 

--いつものiOS ネイティブ環境と比べてUnityでの開発はいかがですか?

 

じわじわ触りながら覚えているって感じですね。

iOSネイティブだと、こういうことをやりたいという仕様が思い浮かべば、すぐにこういうコードを書けばいいと分かるのですが、環境が変わって、Unityは非常に優れたゲームエンジンではあるものの、こういうことをやりたいと思うと、いちいち調べなければいけないところがあるので、若干自分としては面倒くさい感じがします。

 

ただ今後、ゲームの主流はUnityなりクロスプラットフォームに行くのが自然の流れなので、ゲームはUnityを使って作り、ツール系のアプリはネイティブの方がプログラムなどは組みやすいと思いますので、ゲーム系とツール系で切り分けていこうかなと思っています。

 

--ゲーム以外にも郵便検索のようなツール系のアプリも出されていますね

 

そうですね。あと、自分で作っている以外に受託開発もやっていまして、そっちはツール系が多いですね。

 

--最後にインディーゲーム開発を志す方々へのメッセージやアドバイスをお願いします

 

とりあえず何か作ってみた方がいいかなと思うので、思いついたのがあったら、Unityとか簡単に作れる環境が整っていますし、サクッと簡単なやつを一本作ってみてリリースしてみるのが良いかなと思います。

 

学校で授業をしていても、超大作を作りたいという子が多いんですね。いきなりドラクエを作りたいみたいな感じのところからスタートしても間違いなく挫折するので、作りたいというのは確かにわかるのですが、だったらサクッと作れる小物から作っていってスキルを上げていく方がいいかなと思うので、最初のうちはとりあえず何でもいいので数を出していった方がいいかなと思います。

 

インタビューを終えて

いかがだったでしょうか。

とても開発能力と実績がある方で、そのスキルもさることながら、自らのモチベーションを維持するためのノウハウは、とても有用だと感じました。

 

キーワードは「サクッと」。小さく作ることによりスキルと経験を高め、手早くリリースもでき、維持したモチベーションが次回作に繋がるという好循環が生まれます。

 

また、サクッと作るためには、そのゲームに何が必要か、どこまで作るかという判断も大切で、その判断が労力のかかるAI対戦を削り、棋譜記録を付けるなど対人戦に特化した将棋アプリ『将棋盤』に表れているように感じました。長くても6か月という開発期間の目安もありましたね。

 

こだわるあまりなかなか完成しなかったり、超大作の制作に挫折しがちなクリエイターは今回の話が参考になるかもしれません。

 

 

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文:インディーズゲーム放送局

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