前回は商用スタジオを利用しての収録方法についてお話しましたが、セリフの量が多かったり、たくさんの作品を作っていくとなるとやはり気になるのがコスト面です。
そこで今回は自宅で収録を行う、いわゆる「宅録」について詳しくお話できたらと思います。
最低限の機材を揃えるための初期投資と、商用スタジオレベルのクオリティにするにはある程度の経験や知識が必要となってきますが、今後多数の作品作りを見越している方にとってはトータルでコストを抑えることができます。
宅録に必要なもの
宅録をするにあたり、最低限必要なものが下記になります。
・PC
Core i5以上、メモリ8GBは最低限ほしいところです。
・DAWソフト
Pro Tools、Cubase、Studio Oneなどたくさんの種類があります。
商用スタジオではPro Toolsのシェアが圧倒的に多いため、スタジオとの連携を考えるのであればおすすめです。
マイクとPCを接続するための機器です。
・マイク
レコーディングにおいてはコンデンサーマイクが好まれます。
・ポップガード
収録時に息に吹かれて「ボッ」という音が入ってしまわないようにするものです。
・マイクスタンド
・ヘッドホン
・各種ケーブル類
これらがあれば収録は行えます。
中でも、初めての方には馴染みの薄いオーディオインターフェースとマイクについて、比較的安価でオススメのものをご紹介します。
オススメのオーディオインターフェイス
・Steinberg / UR22mkII
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/208842/
初心者の方の定番です。
世界一のシェアを誇るDAWソフトCubaseの開発元であるSteinbergの製品で、根強い人気があります。
Cubaseの無料版が付属されるため、買ってすぐに録音ができます。
・FOCUSRITE / Scarlett 2i2 G2
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/222943/
こちらも利用者の多い人気製品です。
筐体が赤でかっこいいですね。
DAWソフトのAbleton Liveの無料版に加えて、「Addictive Keys」というピアノ音源も付属されています。
非常に品質の良いソフトなので、音楽制作も考えている方にはおすすめです。
オススメのコンデンサーマイク
・RODE / NT1-A
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/144847/
宅録で一番使っている方が多いのではないでしょうか。
前述したポップガードやマイクケーブルなど一通り付属されており、品質も非常に良いため人気となっています。
・MXL / MXL-V67G
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/87964/
まず1万円を切る値段と、オシャレな見た目でこちらも人気です。
高級マイクメーカーであるノイマンの製品を参考に作られたとのことで、私も過去に使用しましたが、非常に綺麗な音で録音できます。
付属品はマイクケースくらいなので、別途購入が必要です。
上記の製品は定番のものが多いですが、あくまで参考までに、ご自身の環境や好みに合わせて購入していくことをオススメします。
収録方法
それでは、実際の収録の大まかな手順をお話します。
1.マイクチェック
最終的なクオリティに大きく関わるので、演者さん毎に必ず行います。
マイクとの距離はコブシ一つ分程度空けましょう。
なるべく大きな音で収録した方が良いですが、クリップ(音割れ)しないように注意してボリュームを調節します。
2.録音
セリフごとに収録していきます。
録音データはソフト上では波形で表示されるため、シーンやキャラ毎にトラックを分けておくとその後の作業がしやすいです。
3.不要部分のカット、編集
無事録音が終わったら、編集作業です。
録音開始から実際に声が入るまでの無音部分や、続けて録ったセリフとセリフの間に雑音などがあればカットします。
もし雑音がセリフと被ってしまっていた場合、雑音だけ取り除くことはできないため、再度録音しましょう。
4.データの書き出し
編集が終わったら、データを書き出します。
ゲーム制作の場合、範囲を設定してセリフごとに書き出すと良いでしょう。
以上が大まかな流れになります。
防音ブースについて
前回までの記事でスタジオ収録とのクオリティの差をお話してきましたが、大きな要因の一つが「防音」です。
自宅などですと、やはり完全な防音というのは難しく、自宅に防音ルームを作ったり、防音ブースを置くとなるとコストが相当掛かってきてしまいます。
そこでオススメなのがこちらの製品です。
・だんぼっち
一般的な防音ブースよりも安価で手が出しやすいかと思います。
もちろんですが、自宅でそのまま録るよりも圧倒的に雑音が入りづらいため、お悩みの方は検討してみても良いでしょう。
まとめ
今回は自宅での収録方法についてお話しました。
防音対策や機材についてなど専門的な知識は必要になってきますが、長期的に見ればコストダウンできること、時間を気にせず収録できることなどメリットも沢山あります。
是非チャレンジしてみましょう!