インディーゲームの世界では長年、根強い人気を持つノベルゲーム。
このノベルゲームを作るための制作ツールは数多く生まれてきましたが、Unityでも使えるものがいくつかあります。
中でも簡単に作れることで、多くのクリエイターに支持されているのが「宴」です。
「宴」とは?
宴はUnityのアセットストアでリリースされています。
第1回のアセットストアコンテストで大賞を受賞するなど、当初から注目を集めていました。
その高い機能性からいくつもの商業作品への採用実績があり、また国内に留まらず、世界中のインディーゲームクリエイターに利用されています。
そしてノベルゲームだけでなく、他のジャンルのゲームの会話シーンを作ることもできます。
今はRPGなどでも、キャラクターの魅力を引き立たせるための会話シーンが重要です。テキストの装飾、画像切り替え、音楽再生を基本として、読み返し機能やスキップ機能も欲しいところですが、自力で実装しようと思うとかなり大変です。
しかし、宴ならばそれが簡単に実装できます。あらゆるジャンルのゲームが、大きくクオリティアップできるでしょう!
宴を導入しよう
以下のURLが宴の購入ページです。
価格は80ドル(税別)です。
購入し、インポートが終わったら、メニューの[Tools > Utage > New Project]からプロジェクトを作成できるようになります。
プロジェクトの作成後、テンプレートを試すことができますので、ひととおり触ってみましょう。
あとはこのテンプレートを自分なりにいじっていくことになります。
エクセルファイルで簡単作成
宴の最大の特徴は、エクセルで開発できることです。
プロジェクトフォルダ内にあるエクセルファイルを開いてみましょう。
いろいろなシートが用意されています。それぞれのシートで背景画像やキャラクター画像、サウンドといった素材を登録・管理し、Startシートに会話テキストと各種コマンドを記述していきます。
以下、実際の記述例とUnity上での表示です。
宴はこのように非常にシンプルな開発スタイルで、難しいスクリプトを覚える必要がほとんどありません。
筆者はこれまでいくつものノベルゲーム制作ツールを試してきましたが、この簡単さには驚きました。世界中から好評の声が届いているのも納得です。
ノベルゲームはまったく初めてという人でも、スムーズに習得できるかと思います。
宴は決して安価なアセットではありませんが、itemstoreの課金機能を組み合わせれば、先行投資の早期回収だけでなく、大きな収益を生む可能性も秘めています。
興味が沸いた方は、ぜひとも導入を検討してみてはいかがでしょうか。
文・アライコウ
作家 / シナリオライター / ゲームクリエイター
十数年、インディーと商業でノベル・アドベンチャーゲームに関わってきました。
Webサイト:http://arai-create.net/
Twitter:https://twitter.com/araicreate