こんにちは。
インディーゲームの紹介などを行っているインディーズゲーム放送局です。
先日、Google Playが主催するインディーゲームのコンテスト『Indie Games Festival 2018』のトップ20が選出されました。
▼トップ 20一覧
https://events.withgoogle.com/indie-games-festival-2018-1/top-20/#content
トップ20の顔ぶれ
この記事を書いている時点では、トップ20のうち17作品がGoogle Play上で確認することができます。(残りの3作品はベータ版によるエントリー)
販売形態としては、有料アプリが5作品、無料アプリが12作品という内訳になります。また、無料アプリのほとんどが広告とアプリ内課金の両方を導入していました。(広告のみが2作品、アプリ内課金のみが1作品)
これは以前に書いた記事『スマホアプリの収益向上には広告とアプリ内課金の併用が有効!?』でも触れた通り、アプリの収益を増大させる上では外せないマネタイズのスタイルであることがうかがい知れます。
次にジャンルとしては、シミュレーション、パズル、アドベンチャーといったところが比較的多く選出されました。
シミュレーションでは、『旅かえる』をご存知の方も多いのではないでしょうか。『ねこあつめ』が大ヒットしたヒットポイントさんの作品で、中国で大流行していると話題になりました。
またパズルでは、以前ご紹介したイベント「Tokyo Indies」の主催者であるアルヴィン氏(Alvin Phu)が代表を務めるHanajiGamesの『Peko Peko Sushi』も選ばれていました。
そしてアドベンチャーでは、郵便屋さんが手紙で"想い"を繋げるゲーム『From_.』が目に止まりました。
インディーズ放送局注目の作品『From_.』
郵便屋さんが手紙で"想い"を繋げるアドベンチャーゲーム『From_.』
https://www.nakajimanoma.com/from
なかじま氏開発の『From_.』(読みはフロム)は、主人公の郵便屋さんが手紙を届けることでストーリーが進んでくアドベンチャーゲームです。
キャッチコピーに「素敵な船旅を」とあるように、水の世界では小舟に乗って移動します。
そのグラフィックは黒と青のみで表現され独特な世界観を感じます。
それに加えて、ゲーム中の音楽はピアノの生演奏を録音したものが使用されており、穏やかさや切なさといった情緒がとても豊かに表現されています。
音楽担当の椎葉大翼氏は、同じくトップ20に選出された『ネコの絵描きさん』の楽曲も担当しているほか、『リリーさんバトる!』でitemstoreを利用していただいている京都のゲームデベロッパー・room6さんにも作品を提供しているインディーゲーム業界で活躍中の作曲家です。
椎葉氏にこのゲームについて伺ったところ、開発者のなかじま氏とは「デジゲー博SPECIAL in 闘会議2016」で知り合ったのがきっかけで、なかじま氏から共同制作の話を持ち掛けられたそうです。
また今作のピアノ音楽は、なんと現在では珍しいアナログテープを用いた録音によるものと聞いて驚きました。さらに作曲を椎葉氏、演奏をピアニストであり高校の同級生でもある四條智恵氏、収録を吉祥寺の音楽スタジオ『ゴックサウンド』にて、アナログテープによる録音を得意としている近藤祥昭氏が録音するという、インディーゲームの音楽としては考えられない力の入れようです。
空前の猫ブーム!?
個人的には、猫をメインとしたゲームが3作品も選出されていたことにも目が止まりました。
これについて、ゲーム業界には猫をテーマにすると売れやすいというある種のジンクスがあるという話を聞いたことがあります。
統計的な裏付けがあるわけではないのですが、もしかすると本当なのかもしれませんね…。
その中から1つの作品を紹介します。
お絵かき放置ゲーム『ネコの絵描きさん』
https://wakeninc.blogspot.jp/2017/10/blog-post.html
わけん氏が手がける『ネコの絵描きさん』は、楽しみながら想像力と創造力を養えるゲームです。
プレイヤーは画家となってコンテストで優勝することが目的。
絵を描くにあたって、何を題材にするかひらめかせるため、まずはお弟子さんが持ってきた絵を見て、それが何を描いているのかクイズ形式で答えていきます。
正解を重ね、ひらめきゲージが満タンになったらいよいよお絵描きタイム!
テーマとキャンバスが与えられますので思う存分描いてください。
私は絵を描くことに苦手意識があるのですが、がんばって「いるか」を描きました。
このように「絵の題材をクイズ形式で答える」→「絵を描く」というのが、このゲームにおける一連の流れになっています。
また、お弟子さんとは他のプレイヤーであり、つまりクイズは他のプレイヤーが描いた絵が何であるかを当てるということになります。ということは、プレイヤーが絵を描けば描くほど、クイズの問題が自然と増えていくということです。
プレイヤーが作ったものをゲームシステムに組み込み、プレイヤー自身が自然とコンテンツを増やすことに貢献できる仕組みは個人的に見事だと感じました。
なお、開発者のわけん氏は、現在募集中の「家賃0円企画」にご協力いただいている『ギークハウス京都東福寺』の管理人でもあります。
http://blog.item-store.net/entry/2018/04/03/150650
ファイナルイベントに向けて
今回選出された20作品は、2018年4月28日(土)に行われるファイナルイベントにて会場に展示される予定です。さらにこの中から、当日の一般参加者と審査員の投票により、トップ10が選出されることになります。
イベントに参加したいという方は、以下のフォームよりお申し込みください。
4月20日(金)まで登録受付中です。
https://goo.gl/forms/Os1PgIOumdxKFIlK2
インディーゲームを作る方にも、楽しむ方にも大注目のこのイベント。
当日の様子もレポートしてみたいと考えていますので、参加されない方も楽しみにお待ちください!
文:インディーズゲーム放送局
インディーズゲームの紹介やイベント、インディーゲームクリエイターの支援を行っています。プレイヤーにとってはメディアとして、ゲームクリエイターにとっては困ったときの巻物(風来のシレンに登場するアイテム)という位置づけで活動しています。
Webサイト:http://igb.sakura.tv/
Twitter:https://twitter.com/indie_game_bro