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【クリエイターインタビュー】『トラップマスター』の開発者・STUDIO SHINさん<前編>

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こんにちは。

インディーゲームの紹介などを行っているインディーズゲーム放送局です。

 

今回は2017年6月にApp Storeでリリースされた2Dアクション脱出ゲーム『トラップマスター』の開発者であるSTUDIO SHINさんにお話をおうかがいしました。

 

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<プロフィール>

個人アプリ開発者。企業からの受託開発を行いながら、主にiOS向けにゲーム系アプリを開発しているが、ツール系も得意。2013年より奈良芸術短期大学にて講師を務める。

プログラム解説本やゲーム企画本を複数執筆。主な著書に「Xcode5完全攻略」(SBクリエイティブ)、「ゲームプランニングの新しい教科書」(翔泳社)など。

 

2人の主人公と25の部屋が織りなす脱出ゲーム

--脱出ゲーム 『トラップマスター』はどのようなゲームか説明していただけますか?

脱出ゲームということなんですが、よくある画面をタップして謎を探していくというタイプではなく、見下ろし風、ロールプレイング風の画面の中でキャラクターを上下左右に操作しながらアイテムを探したり、メッセージを読んだりしながら、全部で25室ある部屋の中から脱出していくというタイプのゲームになります。

 

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--スタート時点では記憶喪失の男の子が主人公ですが、ゲームを進めていくと女の子のキャラが登場しますね

最初、男の子のキャラから始まって、女の子のキャラに切り変わり、後半で2人が合流して揃わないと謎が解けないというギミックがあったりします。

ゲームの中に謎の日記みたいなものがありまして、それを読んでいくとゲームの背景にあるストーリーも分かっていくという、シナリオもあるタイプのゲームになっています。

 

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--シンプルな脱出ゲームでは1つの部屋からの脱出を目指しますが、『トラップマスター』には25もの部屋が登場しますね

最初はもっとシンプルな構想でしたが、今の(リリースした)『トラップマスター』については、一直線ではなく行ったり来たりしながら進んでいくゲームになっていまして、一つの部屋をクリアしてもその先の部屋の謎で実は「あそこにあんなものがあったな」と一旦引き返して、そこでアイテムを取るとか、謎を解くという感じで進んでいきます。

 

--かなり凝って作られていますね。脱出ゲームの特性上、ゲームオーバーポイントがあり、私も何度かやり直したのですが、直前から再開できるのでスムーズに進められました

ゲームシステムとしては一つの部屋に入った時にオートセーブをしまして、もしそこで罠に引っかかってゲームオーバーになってしまうと、(部屋に)入った状態から再スタートというシステムになっています。

さらにアップデートで途中セーブもできるようにしました。セーブファイルをアプリの中に残すことができて、それをロードすれば、どこでも好きなところからゲームを再開できるようにしています。

 

--便利な機能ですね。ここから開発関係の話ですが、使っているテクノロジーなどの話をお願いします

リリースしているのが iOSオンリーなんですけれど、Apple 純正のSpriteKitというフレームワークを使っていまして、完全に iOS ネイティブ環境です。

 

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iOS ネイティブ環境であるSpriteKitによる『トラップマスター』の開発画面


 

--ということは、Androidでは出しづらいという風にも聞こえたのですが

はい、そうですね。Android では出せないですね。

様々なゲームエンジンがありますから、それを使えばできるんですけれども、自分としてはiOS ネイティブ環境で作るのが一番楽で簡単なので、今のところそうしています。

 

--開発中に楽しかったこと、苦労したことはありましたか?

苦労したところは特に思い出せなくて、全体的に楽しく作れたのですが、あえて言うのであれば、シナリオをどうやってゲームにくっつけるかというところは多少苦労しました。

 

--専門はアプリ開発ということですが、シナリオまでご自身で考えられたということですか?

はい。こういったがっつりシナリオのあるゲームは初めてなんですけども、元々ゲーム会社で企画の仕事をしていました。あと元々漫画を描いていましたので。

 

--漫画を描いていたんですか!

はい、若い時は漫画を描いて出版社に持ち込みをしていました。

 

--過去の経験を活かして、シナリオもご自身で作られたということですね

作っているゲームに関してはだいたい音楽以外は全部自分で対応しています。

 

--ということは絵も描かれるということですか?

はい、絵も描いています。

先ほどゲーム会社で企画をしていたと言いましたが、元々はゲーム会社にデザイナーとして入り絵を描いていまして、そこから企画の仕事をやるようになって、ついでにプログラムも覚えて今に至るって感じなので。

 

--ではゲーム中に登場する謎解きや仕掛けのアイディアもご自身で考えられたということですね

はい。作りながらですかね。

最初は一直線的な感じのゲームだったんですけども、開発を進めるうちにもうちょっと面白くしたいなと思って、5×5のマス目状の25部屋にしていきましたが、あれも実はiPhoneで開発できるエディターを作っていまして。

マップ配置とか普通はパソコンでされると思うのですが、ああいったタイプのゲームを作るとき、僕は大抵 iPhoneでアイテムを置いたりだとか、マップ上の壁を置いたりするためのちょっとしたエディターを作り、移動中にマップのエディットをできるようにしています。

 

--ゲームを作る前にゲームを作るためのエディターを用意されたということですね

はい、そうです。だから電車に乗っている時とかでも、エディターを開いてここのマップのアイテムはこうだとか、謎はこっちにしようかとか、諸々できるようにしています。

 

--それは時間の有効活用ですね。ゲームの見所やひっかかって欲しい罠などはありますか?

見所と言うとゲームを進めていくうちに、置いてある日記を読むことで2人の主人公に絡むシナリオを楽しんでもらいたいと思います。

また、キャラクターは2人なんですけど、途中でアイテムがいろいろ出てきまして、ロボットを連れて歩いたり、ドローンを飛ばしたりというキャラクターアイテムがあったりするので、それを使った仕掛けというのも楽しんでいただければなと思います。

 

感想

いかがだったでしょうか。

キャラクターを2人にしたり、一度通過した部屋にある仕掛けを謎解きに利用したり、徐々に明かされるシナリオを用意するなど、脱出ゲームの単調さを回避するための工夫が随所に垣間見られました。

 

同時にシナリオ、グラフィック、プログラミング、そして漫画とマルチな才能を持つSTUDIO SHINさんの一面を知ることができました。これは少数精鋭、場合によってはひとりだけでゲームを開発することになるインディーゲームクリエイターにとって大変有利な能力であると言えます。

 

次回は開発の経緯やSTUDIO SHINさんの講師、著者としての多才な一面など、さらに深く話をうかがっていきますのでお楽しみに!

 

 

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文:インディーズゲーム放送局

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