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【クリエイターインタビュー】『怪異掲示板と7つのウワサ』の開発会社・エンタブリッジの岩切進悟氏<後編>

 

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サブカルチャーを大切にする企業らしく、社長室の本棚には漫画がぎっしり!

 

こんにちは。

インディーゲームの紹介などを行っているインディーズゲーム放送局です。

 

前回に引き続き、今回も『Indie Games Festival 2018』でトップ10を受賞した『怪異掲示板と7つのウワサ』の開発会社・エンタブリッジの岩切氏にインタビューを行っていきます。

 

ノリで始めたゲーム制作

-- ゲームを作ろうと思った、きっかけ・経緯などを教えてください

これはですね、言っていいのかわからないのですが、完全にノリなんですね(笑)

 

-- ノリなんですか!思いつきみたいな?

そうですね。これを一緒に作っているメンバー、社内の3人のメンバーでやっているんですけれども、ご飯を食べてた時に「ゲーム作りたいよね」となりまして、「いいじゃん、いいじゃん」と、「何作ろうか?」「ノベルゲームやろうよ」みたいな。

「だったらモック(見本)作るわ」って言ってパパッっと、その場で10分くらいでモックを作って「これいける!」というノリと勢いで。

 

--メイン事業はWeb制作ですが、それとは別の事業としての取り組みだったんですね

事業にもなっていなくて、本当に他の仕事をしながら、空いた時間で作るという形です。

 

--開発で楽しかったことや逆に苦労したことがありましたら教えてください

いわゆるゲームを作るのであれば Unity とかそういったものがあるかと思うんですけれども、ウチでいうと手っ取り早く作ろうというところでWebViewを使っていまして、中身は全部 JS(JavaScript) と CSS で動いて Web ページなんですね。

 

--Webページなんですか。それならパソコンのブラウザでも遊べるということですか?

はい、遊ぼうと思えば遊べます。

中身はほぼWebページで、それこそスマホのブラウザを叩くような形で動いているんですけれども、細々した表現とか、リッチなことをやっていこうとすればするほど、だんだん最初にちゃんとしたフレームワークを選ばなかったところが締め付けてきました。

 

--ゲーム開発でこんなサービスがあればというものはありますか?

使っているフレームワークが『PhoneGap』というものを使ってWebViewで開発をしているんですけど、『PhoneGap』用のプラグインがあまりなくて 。課金のアドネットワークとかの営業さんがいらっしゃって「入れてくださいね」って言われるんだけど、「プラグインがありません」とかはありますね。

どうしようもないときは、たぶん自分で作らなきゃいけないんでしょうけど、できればプラグイン作る暇があったらゲーム作りたいなって。

 

ノベルゲームが好き

--ノベルゲームが好きと伺っていますが、思い出のゲームやシーン・キャラクターについて語ってください

シュタインズ・ゲート』ですね。あれはもうめちゃくちゃ好きで、ゲームももちろんそうですし、ノベライズ、コミカライズ、ファンディスクも当然やりまして、聖地巡礼もして(舞台となった)秋葉原のありとあらゆるところに行きました。

カラオケに行って歌ったりするんですけども途中でストーリーを思い出して、感動して 歌えなくなっちゃいます。

 

--好きなキャラクターはいますか?

それはもう「牧瀬 紅莉栖」ですね。

クリスティーナは本当に素晴らしいですね。

映画版劇場版とかのクリスティーナがとても素敵で5回ぐらい見に行きました。

 

--5回!それは1度の上映ですか、それとも日を変えてですか?

日を変えてです。

じっくりと見るたびに新しい発見があります(笑)

 

--昔の思い出のゲームはありますか?

カノンですね。

当時全くノベルゲー興味なかったんですけど、友達に「いいからやれ」と言われて、友達の家に軟禁されて、やらされて、もう号泣ですよね。

 

--ノベルゲームが好きなお友達から勧められてプレーしたんですね

そうですね。ノベルゲームってすごくハードルが高いと思うんですよね。

何もやったことない状態でいきなり「さあ、ノベルゲームやろう!」とはならないと思っていて、アニメから入るとか、友達から勧められて入るとかっていうところで、今回の『怪異掲示板』も入り口としてはすごく入りやすい、軽く読めるものなのでサクッと遊んでもらえたら。

 

ゲームのマネタイズについて

--話題を変えて、ゲームの収益化(マネタイズ)についてお考えがありましたら教えてください。また、アイテムストアをご存知でしたか?

申し訳ないのですが、存じ上げておりませんでした。ゲームを作り出して日が浅いところでして。

本当に趣味で作っていたところが大きいので収益については、ほとんど考えていなくて、バッドエンドになった時にやり直すためにちょっとした広告が入るみたいなものなので、正直、全くと言っていいほど利益は出てないです。

 

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バッドエンドの際、広告を見ることで直前からやり直しができる

 

--オムニバス形式なのでエピソード毎に課金する方法はいかがですか?

もう、こうなると難しいとこではあるんですけど利益よりも大事なものってあると思うんですよね。

 

ありがたいことにレビューで「課金したいです」って言ってくださるユーザー様がすごく多くて、「課金する場所探したんですけどなかったです」と言っていただけたので、直近のアップデートで課金する場所を作って、それだけだとちょっと申し訳ないのでお礼にショートストーリーという形で追加コンテンツを一個追加させていただいて、初めて課金コンテンツを入れさせていただきました。

 

--後から導入したんですね。ここで思い出したのですが、以前ゲームのタイトルに『完全無料』と書かれていたと思うのですが変更されましたか?

そうです、完全無料ではなくなってしまったので嘘はいけないということで、課金の追加エピソードを入れたタイミングで消させていただきました。

 

--ゲーム内通貨を利用したゲームの計画はありますか?

ゲームの形式が違うので難しいですね。

スタミナ制であったりとか、メインストーリーを買っていくスタイルであったりとかってあまりやりたくないと思っていて、ユーザー様に負荷をかけて、その負荷を解消するために課金というのはあまりやりたくないなと思っています。

 

--今後の開発予定のゲームやアイディアなどがありましたら教えてください。

もうすでに次の制作に取り掛かっていまして、6月末ぐらいには出せるかなと思っております。今回リリースした後にもう次のは動き出していて『アイ・ビー ~コミュ障の俺が選んだ未来~』というSFのお話です。

コミュ障でハッカーの男の子が年上のお姉さんに引きずられながら成長していって、色々大きい事件に巻き込まれていき、最終的にはどうなる世界みたいな大きい話で『怪異掲示板』も自信作ではあるんですけれども次の作品も自信作です。

 

--ユーザーについて意識していること、知りたいことはありますか?

ユーザーさんには結構向いていると思っていて、レビューも全部返信するようにしているんですよ。

本当にレビューを見ていて、よかったなーって思っているのが最初に作ったコンセプトの「初めてノベルゲームをやる人に楽しかったと思ってもらえるようなもの」っていうところが、レビュー見ていてもそうですし自分達もそれを意識して作っていましたのでそれがうまく伝わってよかったなあという気がしています。

 

--ユーザー主体といっても過言ではないですね

そうですね。ただ今度それがまた逆に難しいところでもありまして、ユーザーさんについて知りたいところでもあるんですけれども、どうやったらノベルゲームをやったことない、ノベルゲームのことを知らない人にノベルゲームを届けることができるだろうって(笑)

 

ノベルゲームが元々好きでって方がやっぱり多くて、その人が Twitter とかでつぶやいてくださって、それを見たノベルゲームやったことない方がプレーしてくださるというのが大きな流れとしてあるんでしょうけど、・・・そもそも興味ない人に伝えるのが難しいです。

 

 --最後にインディーゲーム開発を志す方々へのメッセージやアドバイスをお願いします

本当に・・・難しいですね(笑)

作りたいものを作るのが一番なんじゃないかなと思います。

 

インタビューを終えて

いかがだったでしょうか。

大変物腰の柔らかい方で、こちらの質問にも一つ一つ丁寧に答えて下さいました。

その一方でノベルゲームに対する情熱は強く、特にシュタインズ・ゲートの映画を5回も見に行ったというエピソードには驚かされました。

 

開発についてはWebViewを利用したということで、言われてみるとゲーム中の色づかいや表示エフェクトなどWebのテクノロジーやノウハウが入っていたことに気づかされました。Web制作会社の強みを活かした結果、それがゲームとうまく融合したと言えます。

しかし、それだけでこの作品が完成したわけではなく、根底には岩切氏をはじめとする開発チームのノベルゲームやゲームそのものに対する知識と熱意があったからではないかと思います。

 

インタビューでは深く語らなかったのですが、ディテール部分についてはファイル受信時の読み込み時間やびっくりしたときのテキスト表示方法など、工夫されている点がいくつもあり、本格的に作った初めてのゲームとは思えないほどです。

また、ホラーと感動を組み合わせたストーリーもよく練られていました。1話だけでも楽しめる手軽さを備えつつも、掲示板というひとつのテーマにストーリーが集約され、全話を読むことで大きく心を動かされるように工夫もされています。

 

さらに、ユーザー主体という考えも見逃せません。「Webテクノロジー」、「ノベルゲームの知識と熱意」、「ユーザー主体」の3つが組み合わさったことにより『怪異掲示板と7つのウワサ』が生まれた、そう感じさせるインタビューでした。

 

今までノベルゲームと疎遠なゲーマーもこれを機に触れてみるのはいかがでしょうか。

 

 

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怪異掲示板と7つのウワサ

怪異掲示板と7つのウワサ

  • Entabridge Co., Ltd.
  • ゲーム
  • 無料

 

<ストーリー>

とある高校の新聞部が管理する掲示板には、秘密があった。

その掲示板に書き込まれた「ウワサ」は「現実」となり「怪異」となる…。

果たしてその掲示板に書き込まれる、「7つの怖い話」とは…?

 

 

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未掲載の内容も含まれるインタビュー動画・音声が公開されていますので、よろしければこちらもご覧ください!

 

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文:インディーズゲーム放送局

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